わがリファレンス音源について続けます。お次はジャズ編といきましょう。
ジャズは実のところ腰を据えて聴き始めてからまだ日が浅く、大したライブラリーがありません。別段嫌っていたわけじゃなくて、あまりにも膨大な音楽的資産があるもので、どこから入っていいのか分からず、途方に暮れていたというのが正直なところです。
でも今は便利な世の中になりましたね。YouTubeで聴けるジャズを片っ端から再生し、好みのジャンルとそうでもないものを選り分けていって、「おぉこれは」というアーティストと盤をCDやハイレゾ、中古レコードなどで追いかけるということをやっています。
これまでもいわゆる「定番もの」の盤は割合と買うようにしていました。ソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」やアート・ペッパー「ミーツ・ザ・リズムセクション」、オスカー・ピーターソン「プリーズ・リクエスト」、マイルス・デイヴィス「クールの誕生」、ジョン・コルトレーン「ブルー・トレイン」なんかは、ジャズをじっくり聴き始める前から主にCDで購入、音楽として楽しみ、また試聴盤としても活用してきたものです。
そんな中で一番よく使っている試聴盤は、先のエントリで触れた通り断然ビル・エヴァンス・トリオ「ワルツ・フォー・デビイ」です。いや何のことはない、CDとLPの両方で持っているからというだけのことなんですがね。CDは比較的新しいデジタルリマスタリングの国内盤で、LPはアメリカのFantasy社が出しているごくごく普通の廉価盤です。
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CD
ビル・エヴァンス・トリオ
ワルツ・フォー・デビイ
ユニバーサル UCCO9003 ¥1,100
買ったのは7〜8年も前だったか、当時としてはビックリするほど安価な1,100円だった盤だが、かなりしっかりとしたリマスターがなされているようで、音の厚みや血の通った質感など、CDでも結構やるじゃないかと驚いたものだった。ちなみにわが家にあるLP盤は米Fantasy社製で型番はOJC210。こちらはいささか安っぽいが割合と自然な、廉価盤によくある質感を聴かせる。単体で聴いていればこちらでも結構悪くない。
音は結構違って聴こえます。何とCDの方がずっと音のきめが細かく高品位な音に聴こえるんですね。ただ、ライブ会場の聴衆が立てる音なんかは不思議とアナログの方が自然に聴こえます。デジタルリマスターでギリギリまで品位を高めたCDに対し、アナログは定評ある会社ではありますが1枚10ドルやそこいら(日本で1,200円くらいでしたからもっと安いかな)で売る廉価盤ですからそう手間もかけられないんじゃないかと。そういった事情がそのまま出た違いなのかなという気がしています。
オリジナルのLPなんて聴いてしまったら前2者とも物の数には入らないのかもしれませんが、それでも楽曲、演奏、録音とも結構気に入ってしまっているのは、さすが歴史的名作ならではといったところですかね。
ほか、いつも持ち歩いている仕事用CDケースの中に入っているのは、ジャック・ルーシェ・トリオの「四季」ですね。おなじみヴィヴァルディの楽曲をジャズに組み直した演奏はいくつも耳にすることがありますが、中でもこれは素晴らしい演奏と、かのテラーク・ジャズならではの吹っ飛ばされるような迫力が大いなる聴きどころです。この盤、何の気なしにのぞいていたアマゾンでたまたまバーゲン1,200円だったもので購入しました。だいぶ前の話ですし、今はもう少し高くなっているんじゃないかなぁ。
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CD
ジャック・ルーシェ・トリオ
ヴィヴァルディ/四季
米TELARC CD83417 ※輸入盤
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