私がブログを始めたわけ
2014-01-18


「諸国漫遊記」は最もコストのかかる取材だったもので長岡氏なしには成立しない企画でしたが、工作記事は何とか私がオリジナルの図面を引き原稿を書くことで2002年に復活、「ディスク・フラッシュ」は市川二朗氏と高崎素行氏のお2人と私の鼎談形式による高音質ディスク聴きまくりとして、どうにか火を絶やさずに続けることがかないました。市川さんも高崎さんも長岡氏の弟子筋というか、アドバイザー的な役割を果たしてこられた人たちなので、長岡氏のセレクションとそう大きく外れるようなことはなかったんじゃないかと感じています。

いつしか私はライター仕事の方が多くなり、編集者の看板を下ろして「オーディオライター」となりました。その頃にはスピーカー工作記事をレギュラーで載せている雑誌が3冊ありましたが、音楽之友社ステレオには浅生ム氏、誠文堂新光社無線と実験には小澤隆久氏、そして「オーディオベーシック」には私、という具合に棲み分けがなされていたような状況です。

ところがオーディオベーシックはガウディオと改名した後、3号でその命脈が尽き、廃刊の憂き目を見ることに。ウェブ版が続けられてはいるようですが、同じものというわけにはいかないでしょうね。

これまでも何度か頼りにしていた雑誌の廃刊には立ち合いましたが、このたびの「ガウディオ」廃刊は少々私にとって打撃が大きすぎました。下世話な話をすれば収入もかなり下落しましたが、それより何よりスピーカー工作の発表媒体を失ってしまったことがあまりにも大きな痛手です。1誌なくなってしまったからといっておいそれと別の雑誌が企画を引き受けてくれるはずもなく、このままでは新しいユニットが出てきても、また新しいキャビネットの腹案が浮かんでも、私の作例は発表できなくなってしまいます。

幸い「ステレオ」誌が何回か私の作例を掲載してくれましたし、長年憧れだった評論家競作にも昨年から参加させてくれましたが、それでもあまり大先輩の浅生さんを邪魔するわけにもいきませんしね。

現に昨年の夏に登場したフォステクスの限定ウーファー+トゥイーターの作例は、設計・製作して記事にもまとめたものの掲載誌がなく、やむなくpdf化してプリントアウト、東京と大阪の発表会場へお見え下さったお客様のみへ配布するという、甚だ小規模なこととなってしまいました。 近々そのpdfをこちらのブログで公開しようと思います。でも限定ユニットだし、まだ買えるのかどうかをまず確かめてからということになりますね。

そしてこの1月、フォステクスがまた大変に魅力的な限定ユニットをリリースしました。われわれスピーカー自作派にとって永遠のリファレンスFE103の生誕50周年記念モデル、FE103-Sol[LINK]です。

こんなヨダレが出そうなユニットをみすみす見逃すわけにはいきません。何としてもこれでいくつかスピーカーを作って発表したい、それがブログ開設のモチベーションとなりました。もういくつか腹案はできかかっています。そう遠からず、皆さんへ御目文字のかなう日がくると思います。

あれれ、「話せば簡単なこと」なんていっておきながら、ずいぶんな長話となってしまいました。あっさり終わる回もあればこうやってグダグダとムダ話の続くエントリもあるかと思いますが、どうか気長にお付き合い下さいませ。

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