お薦めソフトの第1弾は、いきなりのハイレゾ配信音源です。これ、今出ている号のネットオーディオ誌「私のハイレゾ・ベスト10」的なコーナーで紹介しているんですが、文字数が少なかったもので、タイトルが表示されているだけでどういうソフトか全然書けなかったんですよね。それでいっそのこと、当欄で紹介記事にしてしまおうと思い立ったわけです。
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ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編曲)、はげ山の一夜、
ホルスト/組曲「惑星」
レナード・スラットキン指揮(ムソルグスキー)、ワルター・ジュスキント指揮(ホルスト)
セントルイス交響楽団
こちらの音源です。米
Voxレコードにはお買い得詰め合わせ2CDセットがあって、それと同様の体裁で曲を詰め合わせにしたハイレゾ配信音源です。それにしても、作曲者は
ムソルグスキーと
ホルストの2人で指揮者も
スラットキンと
ジュスキントですから、
セントルイス響以外の共通点が見当たりません。「もうちょっと売り方を考えた方がいいよ」と助言すべきなのか、はたまた一部を除いて曲単位の分売も可能だから別にこれでかまわないのか。廉価盤レーベルならではというか、ジャケットも全然凝ったものじゃないですし、あんまり難しいことをいっても仕方ないのかもしれませんね。
で、どうしてこんなマイナーなレーベルの作品を「ベスト10」に推したのか。これにはずいぶん長い前節があります。私が大学に入って間もない頃ですから、もう30年近くも前の話になりますね。今はなき秋葉原・石丸電気の本店ソフトフロアでたまたま見つけたCDが、上記ハイレゾと同一音源のホルスト/惑星でした。
故・
長岡鉄男氏の「
外盤A級セレクション(1)」が発売になり、むさぼるように読んでいた頃とちょうど時期が重なっていて、紹介されている盤に何枚か入っていた
MMGレーベルの、フリューゲルホーンをかたどったようなロゴマークを覚えていました。それが見えたので「ひょっとしたら掘り出し物かも!」と引っつかんでレジに並んだ、という次第です。
自宅へ戻りCDの封を切ってビックリ! 光に透かしてみたディスクはさながらプラネタリウムの如し。無数のピンホールが空いてしまっているのです。これは初期のアメリカ盤で、品質管理がお粗末だったんでしょうね。今はそんな盤など薬にしたくてもそうそう見つかるものじゃありませんが、当時は結構いくつもピンホールの空いた盤があったものでした。
当時使っていたCDプレーヤーはCD/LDコンパチブルプレーヤーの1号機
パイオニアCLD-9000だったのですが、これがまた読み取りの不安定な代物で、案の定この盤を読み取ることができませんでした。読み取ることさえできればどんな高級プレーヤーにも真似のできないド迫力の再生音を楽しませてくれる、得難いプレーヤーだったんですがねぇ。
かからなければ仕方ないものですから石丸までディスクの交換に向かったんですが、何ともはや私の買った盤が最後の1枚だったとか。「返金しますか?」と訊かれましたが、これも何かの縁とそのまま持って帰ってきました。ですから、この盤をじっくり聴くことができたのはもう1台のプレーヤーを買った後ということになります。
確か次に買ったCDプレーヤーは
マランツCD34だったかな。85年に驚異的なベストセラーを記録、一気にCDを普及の軌道へ乗せた記念碑的なプレーヤーです。そのプレーヤーで初めてじっくりと聴いたジュスキントの「惑星」にはたまげました。確かなホールの音場感とともに大編成のオケがどっしりと定位、華やかに音楽の成分が飛び散るような生きいきとみずみずしい鳴りっぷりを聴かせてくれたのです。
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