月刊「ステレオ」2014年8月号が発売されました(その2)
2014-07-25


禺画像] Stereo 2014年8月号
音楽之友社 ¥3,528+税

月刊「ステレオ」の「工作特大号」は、先のエントリに書いた通り付録ユニットとそれらを使った製作記事が大きな目玉となっていますが、長年続く人気企画にあと何本かの柱があります。自作スピーカーの「筆者競作」もその一つといってよいでしょうね。毎年一定のルールを定め、それに則っておなじみの筆者陣が思いおもいにスピーカーを作り、一堂に会して相互に感想を述べ合うというものです。

私も昨年から呼んでもらえるようになったこの企画ですが、今年は話題の限定フルレンジ、フォステクスFE103-Solを使用することというのが唯一のルールで、多数使いや他にユニットを付け加えるのも自由、予算も制限なしということでした。

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フォステクス◎フルレンジ・スピーカーユニット
FE103-Sol ¥6,500(1本、税抜き)

昨年は「付録の5cmフルレンジ・ユニットを片側3発まで使用。ユニット追加は自由、予算制限なし」というルールで、私はフルレンジを1発使って極めてささやかな音道のバックロードホーンを作り、その下にフォステクスの10cmフルレンジP1000Kを使ったスタンド兼用のダブルレゾナンス・ウーファー(DRW)を組み合わせるという方式の「ソラシド♪」と名づけた作例を製作したものでした。

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昨年発表した「ソラシド♪」。5cmフルレンジがお題だというのに占有床面積30×30cm、高さ1m超というバカでかいキャビネットを作ってしまった。参加初年ゆえ「ネタ担当」という意味合いもあっての悪ノリである。

昨年も「付録ユニット片側3発まで」という縛りはありましたが実質上の青天井みたいなものでした。それでも付録ユニットを3発使われていたのは小澤隆久氏お1人、須藤一郎氏は付録1発のみで、石田善之氏は付録ユニット×1発にアンプ内蔵のモニター仕様、浅生ム氏はフォステクスP1000Kとの2ウェイという格好でした。私は浅生さんと同じ付録+P1000Kにデイトンのドーム型トゥイーターを載せた3ウェイ、しかしネットワークはトゥイーターのコンデンサー1発だけというユニット構成です。まぁ青天井にされてもあんまりいろんなものを放り込んだら収拾がつかなくなっちゃいがちですから、これがいいところだったんじゃないかと。

一方、今年はフルレンジの使用本数制限まで撤廃され、ますます青天井に。といっても私は「鳥型BHを作る!」と決めちゃっていたのでSol×1発のみ、特にSolは高域まで本当にきれいな音なので、プラス・スーパートゥイーターも最初から考えていませんでした。

BHの設計というものは「連立方程式を暗算で解く」ような作業といえばいいかな? あちら立てればこちらが立たず、何箇所かに分散した項目のせめぎ合いを、どうにかこうにか折り合わせながら進めていくのが常です。そんな時、ごく稀にではありますが「神が降りてくる」ことがあります。ある一定のラインを超えた瞬間、すべての数値が面白いように枠へ収まっていって、ほとんどデータの修正もなしにあっさりと音道構成から板取りまで完成してしまうのです。

わがオリジナル設計BHの2作目、学研「大人の科学マガジン」特別編集「まるごと手作りスピーカーの本」に掲載した「ヒヨッ子」という作例がまさにそうでした。今見ても実に合理的な音道構成で、よくもまぁ二十代の頃にこんなきれいなBHを作ったもんだとわれながら惚れぼれするくらいです。

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