わがリファレンス・システム(アナログ編-その5 周辺機器)
2014-01-31


アナログは周辺機器が多くて、書き始めると切りがないですね。お次はターンテーブルシートへ行きましょうか。アナログプレーヤーはターンテーブルシートによってもう全く別物製品になってしまったようにその表情を変えるものです。ある意味で非常に怖いキーパーツというべき存在でしょうね。

わが家のパイオニアPL-70には、購入時から同社の名シートJP-501の同等品が付属していたようでした。故・長岡鉄男氏がたまたまプレーヤーの試聴中にパイオニアの付属シートが素晴らしいと喝破され、それをパーツで取り寄せて使い続けられていました。長岡氏はそれを雑誌でも喧伝されて大人気になってしまったものだから、パイオニアが後に単売パーツとして発売したという来歴を持つ製品です。

もっとも、PL-70に純正でJP-501が付属していたのかどうか、今となっては知る由もありません。中古購入品ですから、前オーナーが取り替えていた可能性もあるわけですしね。

先行エントリにも記しましたが、現在はオヤイデのゴムシートBR-12を使っています。ずいぶん長く付属のJP-501をそのまま使ってきました。しかし、さすがに20年も使っているとシート表面の細かな毛羽が失われてきて、音も何となくガッツに欠けてきました。JP-501後継のJP-701は今も未使用で保存してありますが、それを使ってしまえばもう後がないと、シートもいろいろと聴いてみるようにした次第です。

まず、編集者時分に池袋のビックカメラで現品限りとなっていたAT677を購入してあったので、それと取り替えてみました。JP-501がだいぶ劣化していたこともあり、ずいぶん骨格がしっかりとした立体的な音場が構築されて感激したものです。金属シートにすると音が硬くなりすぎたり特定帯域にキツさが出たりするんじゃないかと思いましたが、AT677にはその心配はないようです。その後、fo.Qから発売された制振素材のシートRS-912の穴あきの方をプラッターとAT677の間に挟み、一段と自然でS/Nの高いサウンドが楽しめるようになっていたものです。

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わが家のPL-70にAT677を載せたところ。つい数年前までこれが日常的な風景だった。今でも十分以上に現役として活躍させられる素晴らしいシートだと思う。

AT677は薄いすり鉢型となっており、スタビライザーを載せてやることでレコードが僅かに凹み、反りを修正して針を通しやすくするという効果も持っています。おかげでそれまでほとんど針がまともに通らなかった反りの大きい盤の中にも数多くの愛聴盤を発見することがかないました。

AT677でほぼ満足し、それからもいろいろなシートを聴きましたがあまり食指は動きませんでした。面白いものもいろいろとあったんですがね。しかし、生産完了品を使っているのは本来ならあまり好ましいことじゃありません。まぁもっとも、そんなことをいっていたらわが家のシステムなんてほとんど失格ですけれど。

それだけに、オヤイデからAT677とよく似たMJ-12が登場した時には大いに注目しました。早速取り寄せてじっくりと音を聴いてみましたが、AT677よりも材質が柔らかいのか別の要因かは分かりませんが、いくらか優しい肌合いのサウンドと聴こえてきます。すり鉢はどうやら677より僅かに浅いようで、反りの抑制効果が少し減じますが、その分外周と内周でのアーム高の誤差が少なくなるので、トータルでは良し悪しといったところでしょう。

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オヤイデ MJ-12 ¥20,000(税抜き)

ただしMJ-12は比較的滑りやすく、プラッターとの間に何らかのスリップ止めを併用した方が大幅に音質向上するのは明らかです。同社ではBR-1という1mm厚のゴム製シートを発売していますからそれを併用するもよし、わが家では前述のfo.Q・RS-912を挟んで使っていました。この組み合わせの音はかなりの水準で、広くアナログマニアへお薦めしたくなるものでした。

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