わがリファレンス・システム(アナログ編-その6 フォノイコとクリーナー)
2014-02-01


を持参してくれたのですが、実のところそれを鳴らして一番驚いたのは私でした。カートリッジはビクターMC-L10を使っていましたからほぼ万全ですが、このフォノイコであの難物が朗々と鳴り渡ってしまったのです。「何かこれ、間違っていないか?」と思わずにいられなかったくらい、衝撃的な音でした。

そうそう、いつの間にやら他社カートリッジ接続時の違和感もきれいさっぱり解消していたのですね。モスビンさんご製作のシェルリードで特別チューンされたMC-L10がその実力を遺憾なく発揮していましたから。

ただしこのフォノイコ、もちろん万能ではありません。高級機で味わうことのできる音楽の薫り高さ、脂っこさ、余裕といったようなものはあまりなく、どちらかというとややそっけない傾向の音です。

また、私がたまたま手にしたこの個体が1万台に1台の"大当たり"である可能性もゼロとはいえません。わが家ではビックリするほど実用的なフォノイコですが、この記事をお読みになった人が購入されて「ダマされた!」ということがないよう祈るばかりです。

あと、アナログ関係の小物類を"落穂拾い"していきましょうかね。レコード・クリーナーはナガオカの「アルジャント113」と日本蓄針(オーム・ブランド)のPRO-8を常用しています。

アルジャントは今もマイナーチェンジされて売り続けられている定番中の定番クリーナーです。この当時の113番はベルベットの質が最上で、ホコリを最も効率的に取り去ってくれるのではないかと思います。

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ナガオカ アルジャント116 ¥1,000

こちらは現行のアルジャント。少しベルベットの材質が変わったようだが、持ちやすさを含めた使いやすさは往年と全く変わりがない。

PRO-8は高校生の頃になぜかカセットデッキを買ったらオマケでレコードと一緒にくっついてきたもので、それから30年以上使ってもベルベットは健在です。ベルベットの面が広くて割合に実用的なクリーナーだと思います。

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こちらはわが家で愛用しているPRO-8。持ち手に張られていたゴムのリングは劣化して落ちてしまったが、ベルベットが全く劣化しないのはすごいものだ。

これらで拭い切れないほどホコリが積もった盤には、湿式クリーナーのオーディオテクニカAT6012を使います。クリーニング液を注入してやると、本当に見るみるホコリが取れるのが面白いくらいです。AT6012使用上のコツは、クリーニング液をまめに補充してやることですかね。スペアのボトルAT634も安いものですから、気にせずに使ってしまうのがいいと思います。

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オーディオテクニカ AT6012 ¥1,600(税抜き)
※補充用クリーニング液AT634は¥400(税抜き)

中古レコードでたまに当たる、べっとりとタバコのヤニのようなものがこびりついた盤やカビが生えた盤などは、この手のクリーナーでは太刀打ちできません。VPIニッティグリッティなどを筆頭に高度なディスクウォッシュ・マシンが発売されていますが、わが家にはとても導入できないので、私は専らそういう盤は台所で台所洗剤とスポンジを使ってゴシゴシ洗ってしまっています。洗っている最中に指先やとりわけ爪で盤を傷つけないこと、またレーベルをできるだけ濡らさないように気をつけること、といったほかは結構ぞんざいに扱ってもレコードは大丈夫みたいですよ。

その代わり、盤を水で洗ったら必ず完全に乾かすことが肝要です。カートリッジに湿気が厳禁ということは、くれぐれも頭に入れておいて下さい。前にも書きましたが、私はその辺を甘く見て愛用のカートリッジを1本ダメにしちゃいましたから。私はベルドリーム

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